曲り田遺跡(読み)まがりたいせき

日本歴史地名大系 「曲り田遺跡」の解説

曲り田遺跡
まがりたいせき

[現在地名]二丈町石崎

干拓により形成された平野の中の独立低丘陵(石崎丘陵)にあり、縄文時代晩期から弥生時代前期が主体の集落遺跡。第二次世界大戦直後から銅釧などを伴う甕棺の発見例などが報告されていたが、昭和五二年(一九七七)からの本格的な発掘調査で掘立柱建物跡二棟・溝二・井戸跡二・竪穴住居跡四三棟・甕棺墓一一基・小型支石墓一基が出た。竪穴住居跡は、激しい切合いにより全体はほとんどわからないが、一辺四―八メートルの隅丸方形プランで、壁際には屋内土坑が確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「曲り田遺跡」の意味・わかりやすい解説

曲り田遺跡
まがりたいせき

福岡県糸島市西部,玄界灘に面した弥生時代の集落址。1979年から調査され,初期稲作農耕の実態が種々の面で明らかにされた。方形,長方形住居址が多数発見され,石器土器などの遺物も豊富。それぞれの遺物は詳細に分析され,日本列島の初期農耕文化をもつ遺跡としてアジア史のなかに位置づける試みもなされている。板付遺跡菜畑遺跡とともに,弥生期の生活のあり方の研究には欠かせない資料を提供している。

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