曲り村(読み)まがりむら

日本歴史地名大系 「曲り村」の解説

曲り村
まがりむら

[現在地名]厳原町まがり

南室なむろ村の東、阿須あず浦の北東に面する小浦こうら村枝郷。北東に高平こうびら山、南に白水しろず山がある。農事はいっさい行われず、対馬でも唯一の海人村として知られる。伝説では寛元四年(一二四六)宗重尚の入国に従って筑前鐘崎かねさき(現福岡県玄海町)から来たと伝えるが、一説には安徳天皇を奉じて来島したともいう。曲浦に定着する以前の海人船は、対馬八海(全島八郷の海岸)の浦々に漂泊し、寛正六年(一四六五)一〇月一七日の宗盛直判物(対馬歴史民俗資料館蔵)によれば、「ふなかた中」に対して、阿須はもとより浦々八海は以前から御免であり、いずれの海で網を引いてもよいことが確認され、京進の公事のほか、公方への賄いを含めて時々の肴を用意することがこうした海人の特権に応じた負担であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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