晒・曝(読み)さらし

精選版 日本国語大辞典 「晒・曝」の意味・読み・例文・類語

さらし【晒・曝】

〘名〙 (動詞「さらす(晒)」の連用形の名詞化)
① 日にあててほすこと。また、薬品などで処理して布を白くすること。
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「宇治の橋本・扇の芝、槇の島にてさらしする」
② さらして白くした木綿。さらしもめん。また、さらして白くした麻布。《季・夏》
※延喜式(927)一「春日神四座祭祭神料〈略〉曝布(さらし)一端八尺」
※高野山文書‐(文祿元年)(1592)三月一二日・興山上人応其書状「殊曝弐疋贈給候」
③ 江戸時代、刑罰の一つ。追放・遠島・磔(はりつけ)などの罪人を世人の見せしめのため、高札をたててさらしものとした付加刑。通常、さらし場で三日を限度として行なわれた。
※旧記拾要集‐六・天和二年(1682)八月一一日(古事類苑・法律三八)「江戸中引廻し、日本橋に三日さらし」
帷子(かたびら)をいう女房詞。〔公家言葉集存(1944)〕
⑤ 上方唄・箏唄。山城(京都府)の宇治川で麻布を晒す情景を音楽化した作。歌舞伎所作事「越後獅子」「晒女(さらしめ)」などの一部に用いられている。
※歌舞伎・暫(日本古典全書所収)(1714)「幕外、景政太刀をかつぎ、きっと見得、さらしになり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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