時課(読み)じか(英語表記)liturgy of hours

世界大百科事典 第2版 「時課」の意味・わかりやすい解説

じか【時課 liturgy of hours】

キリスト教典礼の一つ。〈時禱canonical hours〉〈聖務日課divine office〉とも呼ばれてきたが,現代では〈教会の祈り〉といわれる。聖書によれば,旧約時代から朝晩をはじめ,一定時刻に一日に何回か祈る習慣があり(《詩篇》55:18など),キリストもたびたび祈り(《マルコによる福音書》6:46など),弟子たちも一定の時刻に祈るようになった(《使徒行伝》2:15,3:1,10:9など)。

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世界大百科事典内の時課の言及

【時禱書】より

…キリスト教の平信徒のために書かれた個人用祈禱書。時禱(正しくは時課)とは毎日の定時の祈禱をいう。
[起源,内容]
 時禱書の前身として,中世初期にもっとも一般的に使用された個人用祈禱書としての《詩篇》を重視する説と,聖職者用の聖務日課書(抄本)breviaryがその手本である,とする説がある。…

※「時課」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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