時津街道(読み)とぎつかいどう

日本歴史地名大系 「時津街道」の解説

時津街道
とぎつかいどう

江戸時代からの街道で、長崎市中と時津宿(現時津町)を結ぶ。現国道二〇六号に並行する。長崎路の裏街道といえる道筋で、長崎村西坂にしざか(現長崎市)から陸路三里で時津湊に至る。同湊は慶長二年(一五九七)のキリシタン二十六聖人の上陸地として知られる。湊から大村湾を七里渡海すると平戸往還要所である彼杵そのき宿(現東彼杵町)に通じ、平戸藩などの長崎警衛の通行に利便の行路であった。慶安二年(一六四九)の肥前国道法帳によれば時津川に一里山が置かれ、東の佐瀬させ(現多良見町)長与ながよ(現長与町)、大村湾の西湾沿い内海うちめ往還となる日並ひなみ(現時津町)西海にしうみ形神かたかみ(現琴海町)大串おおくし(現西彼町)方面などが記され、大村湾沿いの要所と通じていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報