デジタル大辞泉
「春秋に富む」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
しゅんじゅう【春秋】 に 富(と)む
※
菅家後集(903頃)九日後朝、同賦秋思「君富
二春秋一臣漸老、恩無
二涯岸
一報猶遅」
※菊池君(1908)〈
石川啄木〉二「今の
若い者は、春秋に富んで居る癖に」 〔
史記‐斉悼恵王世家〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
春秋に富む
年齢が若くて、まだ将来が長いこと。
[使用例] 主上はいまだ春秋に富ませ給う御事なれば、なおいましばらくは御在位の事を乞い願い奉る[松本利昭*春日局|1988]
[由来] 中国で昔から使われてきた表現。たとえば、「[史記]―秦始皇紀」には、次のようなエピソードがあります。紀元前三世紀の終わり、秦王朝の始皇帝が亡くなったあとのこと。新たに即位した二世皇帝に向かって、趙高という大臣は「陛下は『春秋に富む(将来の年月が長い)』ので、臣下たちと一緒に政治を行って失敗をし、権威に傷が付くといけません」と言って、政治に関わらせないようにしたそうです。その結果、政治は混乱し、秦王朝は滅亡してしまうことになります。なお、「[春秋]」とは、一年間のことです。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報