日向浦(読み)ひるがうら

日本歴史地名大系 「日向浦」の解説

日向浦
ひるがうら

[現在地名]美浜町日向

日向湖北岸の村。北は若狭湾に臨み、東は早瀬はやせ浦に接する。西に梅丈ばいじよう(現三方町)がある。中世耳西みみにし郷に属し、文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写に「日向浦 九町五反」とある。文永八年一二月二九日の秦守高多烏浦立始次第注進状(秦文書)に「耳ノ西郷浦ひるかの住人、ひるかの浦を逃亡してすな浦ニ候たるか」とあり、鎌倉初期に日向の住人が田烏たがらすノ浦(現小浜市)を開発したことを記す。

慶長七年(一六〇二)六月の若狭国浦々漁師船等取調帳(桑村家文書)三方郡の項に当浦の船数と網数、人名および人数が記されている。船数二六艘、水夫は四九人であり、江戸初期の漁業の規模がわかる。慶安三年(一六五〇)一〇月九日付の日向浦刀禰・百姓大網場ニ付願状写(早瀬区有文書)によれば、常神つねかみ半島東側のかまさき網場の大網設置に関して早瀬浦との間に争論があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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