ことわざを知る辞典 「方言のことわざ」の解説
方言のことわざ
■地方のことわざ集をみると、収録項目の六~七割は全国的にほぼ共通の表現といえ、二割強が方言バージョンの印象があります。たとえば、「怠け者の節句働き」を「せっこき者の~」や「のらの~」などとしたり、「東男に京女」や「京の着倒れ大阪の食い倒れ」のように、同一パターンで地域名などを変える類です。これらについては、辞典はスペースが限られるので、一部を例示するのはやむをえません。問題は残りの一割前後の方言独自のもので、とてもユニークで魅力的なのですが、残念ながら事実上収録が困難なものです。ここでは、その一端を知っていただくために、ユニークで印象的なものをいくつか紹介してみましょう。
■「
「
「和尚様の取り衣、百姓の出し袴」(新潟県)――僧侶は衣を着るとお布施が入り、農民は逆にお布施を出すわけです。
「金の光も火屋の口まで」(大阪府泉南郡)――「阿弥陀も銭ほど光る」といいますが、金銭の威力も現世どまりということでしょうか。
「馬鹿と闇夜にゃ太閤も恐れる」(島根県出雲地方)――太閤豊臣秀吉がこんなところに顔を出しています。
「アラ
「
■まだまだ興味深いものがたくさんありますから、機会があれば旅先でことわざ集を求めたり、地元の人に尋ねると、ことわざを通してその土地の人情にふれることができるでしょう。
出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報