新宮寺(読み)しんぐうじ

日本歴史地名大系 「新宮寺」の解説

新宮寺
しんぐうじ

[現在地名]名取市高館熊野堂 岩口中

熊野新宮社(現熊野神社)からあずま海道を隔てた南側、高館たかだて丘陵北東麓にある。熊野山と号し、真言宗智山派。本尊不動尊創建の時期は不明。かつては名取熊野三社の別当寺。「熊野堂村安永風土記」には新宮寺証誠しようじよう院とみえるので、当初は熊野新宮社の別当寺であったかもしれない。文安三年(一四四六)一〇月八日伊達家一一代持宗を大檀那として奉納された鐘の銘(東京国立博物館蔵拓本)に「熊野新宮寺」とみえる。この鐘には大工性永のほか、只木殿・三河守朝時・福田殿・桜田殿・馬場殿・聖慶の名が刻されている。あるいは新宮寺は伊達氏との関係が深く、熊野三社のうち新宮社がとくに力を得るようになったものか。

新宮寺
しんぐうじ

[現在地名]丹波町字豊田

新宮池北方の東側山麓にある。山号馬眼山、曹洞宗、本尊地蔵菩薩。古くは梵音山とも号し、天台または真言の寺院であったらしい。

参道付近には薬師堂(もと観音堂東側にあったが明治中期現在地に移る)があり、右側には観音堂がある。続いて道の左右に新宮屋敷しんぐうやしき西王さいおう寺跡とよばれる場所がある。新宮屋敷には古井戸城壁らしきものもあったと伝えられ、西王寺は明治中頃廃寺となったようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報