新十津川(読み)しんとつかわ

改訂新版 世界大百科事典 「新十津川」の意味・わかりやすい解説

新十津川[町] (しんとつかわ)

北海道中央部にある空知(そらち)支庁樺戸(かばと)郡の町。人口7249(2010)。石狩川中流部の西岸に位置し,肥沃な平野部と増毛(ましけ)山地東斜面の丘陵地からなり,山林が町域の大半を占める。石狩川と支流徳富(とつぷ)川の合流点近くに中心集落があり,JR札沼(さつしよう)線の終点となっている。1889年奈良県十津川郷は洪水による大災害を受け,これを機に北海道への集団移住が行われ,600戸,2489人がこの地に入植した。翌々年さらに同郷の罹災者の入植があったのち約10年間は他県からの入植者はなく,道内でも特異な歴史をもつ。また北海道庁の拓殖地の区画割りの制が初めて行われた地でもある。徳富川からの導水による水田地帯が早くから開け,空知米作地帯の一角を形成している。徳富ダムがある。
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