精選版 日本国語大辞典 「敵・的」の意味・読み・例文・類語
てき【敵・的】
[1] 〘名〙
① 自分にあだとなるもの。自分と対立して争う者。特に戦争でたたかう相手。敵方。
※高野本平家(13C前)五「戦場にして敵(テキ)にたたかふ時身をわする」
② 一般に、競争相手。敵方。また、「敵なし」「敵ならず」などの形で、比較の対象となるものをさしていう。
※家族会議(1935)〈横光利一〉「彼はここ二三年のゴルファーなので、やはり高之の敵ではなかった」
※大塔物語(1466頃か)「爰大文字一揆人々者、為二故敵当敵一上者、廻二思案一、一切不レ用レ之、可レ申二請別守護人一旨、内々令二評儀一畢」
[2] 〘代名〙 (的) ((一)④から転じたもの。江戸末期、主に上方で、遊里に限らず用いた)
② 対称。相手をややさげすんでさす。おまえ。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「的(テキ)めもゑらい痴呆(へげたれ)めじゃ」
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