故無(読み)ゆえない

精選版 日本国語大辞典 「故無」の意味・読み・例文・類語

ゆえ‐な・い ゆゑ‥【故無】

〘形口〙 ゆゑな・し 〘形ク〙
① 理由がない。根拠がない。わけがない。いわれがない。
源氏(1001‐14頃)若菜下「冷泉院の后は、ゆへなくてあながちにかくしおきたまへる御心をおぼすに」
② 趣がない。風情がない。あじわいがない。つまらない。
※源氏(1001‐14頃)帚木「はかなくしいでたる事、わざもゆへなからずみえたらん、かたかどにても、いかが思ひのほかにをかしからざらん」
③ 縁もゆかりもない。
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「其上故なき女に心をかけ、命をすつる事ふかくのいたりと思ふなり」
④ さしさわりがない。障害がない。無事である。
人情本仮名文章娘節用(1831‐34)後「小さんはゆゑなく、産後すらすら肥立ものから」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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