撓・萎(読み)しおる

精選版 日本国語大辞典 「撓・萎」の意味・読み・例文・類語

しお・る しほる【撓・萎】

(「しをる」と書かれることも多い)
[1] 〘他ラ四〙
① 物をしなわせたり、たわめたりする。また特に、弓をたわめる。弓を引きしぼる。
※玉葉(1312)秋下・六七七「秋風軒端の松をしをる夜に月は雲居をのどかにぞ行く〈永福門院〉」
② (責) 責め懲らす。折檻(せっかん)する。いじめる。また、おとしめる。
※伊勢物語(10C前)六五「女をばまかでさせて、蔵にこめてしおりたまうければ、蔵にこもりて泣く」
③ 歌などで、情趣を強調してうたう。
太平記(14C後)一七「時の調子の真中三重にしほり歌ひたりければ」
④ 元気をなくさせる。
※沙玉集(1418)「宮こにてならはざりしに松風の心をしほる山かげのやど」
⑤ 能で、「しおり(霑)②」の動作をする。
⑥ 能で、上音から更に一段高い音階へ上げて謡う。下掛(しもがかり)の用語。上掛では「くる」という。
八帖花伝書(1573‐92)三「二字目をしほるを、一字しほりとて」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒しおれる(萎)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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