精選版 日本国語大辞典 「掻付」の意味・読み・例文・類語
かき‐つ・く【掻付】
[1] 〘自カ四〙 (「かき」は接頭語)
① しっかりとつく。とりつく。しがみつく。つかまる。かいつく。
※徒然草(1331頃)八九「猫また〈略〉足許へふと寄りきて、やがてかきつくままに、頸のほどを食はんとす」
② 生活や心のよりどころとして頼りにする。とりすがる。
[2] 〘他カ四〙 (とりすがってせがむところからか) ねだって自分のものにする。
[3] 〘他カ下二〙 ⇒かきつける(掻付)
かき‐つ・ける【掻付】
〘他カ下一〙 かきつ・く 〘他カ下二〙
① 髪などをくしでなでつける。
② しっかりと組み立てたり、編んだりする。
③ (「かき」は接頭語) つける。とりつける。
かい‐つ・く【掻付】
(「かきつく(掻付)」の変化した語)
[1] 〘自カ四〙 とりすがる。すがりつく。抱きつく。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「婿取りつるに、〈略〉逢はせし夜よりかいつきて、あはれにいみじき契りをす」
[2] 〘他カ下二〙 しっかりとつける。とりつける。ぬりつける。
※源氏(1001‐14頃)常夏「紅(べに)といふものいとあからかにかいつけて」
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