接続法(読み)セツゾクホウ

デジタル大辞泉 「接続法」の意味・読み・例文・類語

せつぞく‐ほう〔‐ハフ〕【接続法】

ヨーロッパ諸語などの文法で、動詞の法の一。ある事柄を述べるのに事実としてではなく、予想願望仮定など話し手の心の中で考えられたこととして述べる法。古代ギリシャ語・ラテン語・フランス語・ドイツ語などにみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「接続法」の意味・読み・例文・類語

せつぞく‐ほう ‥ハフ【接続法】

〘名〙 印欧語で、動詞の変化形の一つ用法。その動詞の示すことを、事実としてではなく、予想、願望、仮定などとして述べる。英文法では仮定法という。日本では、用言接続助詞「ば」を伴ったものについていう。〔語法指南(1889)〕

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百科事典マイペディア 「接続法」の意味・わかりやすい解説

接続法【せつぞくほう】

仮定法とも。動詞のの一つ。希求法と並んで直接法に対立し,本来話者の主観的な期待,話者の意思を表す。仮定,恐怖目的内容とする従属文は接続法となる。ラテン語,ゲルマン語では希求法との区別がなく,どちらか一つである。婉曲な願望,命令表現に慣用的に用いられることが多い。
→関連項目条件法

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世界大百科事典(旧版)内の接続法の言及

【法】より

…動詞にみられる文法的カテゴリーの一つで,状況・行為に対する話し手の主観的な心持ちのありよう――願望,可能,義務,命令,さらに疑問,否定など――にかかわる。 たとえば,ラテン語では直説法,接続法,命令法の3種が動詞の形態によって区別される。cantare〈歌う〉を例にとれば,一人称単数・現在・能動の直説法形はcantōであるのに対し,接続法形はcantemである。…

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