じ‐じつ【事実】
[1] 〘名〙
① 実際にあった
事柄。
現実にある事柄。真実のこと。
哲学では、特に、必然的にあることや、単に可能としてあることと区別される。
※御堂関白記‐寛仁元年(1017)七月二日「摂政被来云、今夜斉院盗人入云々、仍奉遣奉云々、右大弁来云、斎院事実也」
※俳諧・箱館紀行(1810)跋「日記は事実を専らとし紀行は
吟詠をあるしとすとか」
※国会論(1888)〈中江兆民〉「
或は偶ま偶ま読書学問したる者有るも
其は実に落々晨星にて所謂鳳鳴
二于朝陽
一の類なるが故に竟に普通一般の事実
(ジジツ)と認むるを得ず」 〔史記‐荘周伝〕
② 特に、
法律で、一定の法律効果の変更や消滅を生ずる原因となる
事物の関係をいう。また、民事・刑事の訴訟において、法律適用の前提ないし対象となる事件の内容の実体関係。
※刑法(明治一三年)(1880)二一八条「
被告人を曲庇する為め事実を
掩蔽して
偽証を為したる時は左の例に照して処断す」
※民事訴訟法(1926)一九一条「判決には左の事項を記載し判決を為したる裁判官之に署名捺印することを要す。〈略〉二 事実及争点」
[2] 〘副〙 本当に。実際に。
※田舎医師の子(1914)〈
相馬泰三〉五「兄さんは誰よりも今の若い人達の心をよく知ってゐる。そして事実、東京で若い多くの女のお友達もおありの事であったら
うし」
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デジタル大辞泉
「事実」の意味・読み・例文・類語
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普及版 字通
「事実」の読み・字形・画数・意味
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