拠所無・拠無(読み)よりどころなし

精選版 日本国語大辞典 「拠所無・拠無」の意味・読み・例文・類語

よりどころ‐な・し【拠所無・拠無】

〘形ク〙
① たよりとするところがない。
※枕(10C終)二五「かたはらなる子ども心地にも、親の昼寝したるほどは、より所なくすさまじうぞあるかし」
根拠がない。
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)一「習ひて以て俗を成す。本憑拠(ヨりトコロ)無し」

よんどころ‐な・い【拠所無・拠無】

〘形口〙 よんどころな・し 〘形ク〙 そうするより外にしようがない。やむを得ない。余儀ない。どうにも手をはずせない。
太平記(14C後)三九「帝都より厳刑を加に、拠(ヨンドコロ)なしとて、返牒をば送られず」
人情本春色梅児誉美(1832‐33)三「古郷の本家(おもや)に拠(ヨンドコロ)なき用ありて」

よんどころ‐なし【拠所無・拠無】

〘名〙 そうするより外にしようがないこと。やむを得ないこと。多く「に」を伴って用いる。余儀ないこと。
随筆胆大小心録(1808)一三六「老も雲に似た歌、よん所なしにようだが、あまりほめられた事じゃない」

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