押靡・押並(読み)おしなぶ

精選版 日本国語大辞典 「押靡・押並」の意味・読み・例文・類語

おし‐な・ぶ【押靡・押並】

〘他バ下二〙 (「おし」は接頭語)
① (押靡) むりに力を加えてなびかせる。また、一様になびかせる。
万葉(8C後)六・九四〇「印南野(いなみの)浅茅(あさぢ)押靡(おしなべ)さぬる夜のけ長くしあれば家し偲ばゆ」
② (押並) すべてを一様にする。おしならす。
蜻蛉(974頃)下「さきにやけにしにくどころ、こたみはおしなぶるなりけり」
※能因本枕(10C終)四七「花の木どもの散りはてて、をしなへたるみどりになりたる中に」
③ (助動詞「たり」を伴って) 普通である。世間なみである。平凡だ。
源氏(1001‐14頃)帚木「おしなべたる大方のは、数ならねど」

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