押合(読み)おしあい

精選版 日本国語大辞典 「押合」の意味・読み・例文・類語

おし‐あい ‥あひ【押合】

〘名〙
① 押しあうこと。互いに押すこと。
出来斎京土産(1677)六「目白鳥双の岡の松がえに霜夜寒さにをし合やする」
② 言い争うこと。言い合い。押し問答。また、話し合って交渉すること。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「直(ね)の押合(オシヤヒ)して、其割で買ふに、売られんとは」
③ 奏者番相互の連絡事務等を担当すること。また、その役。
政談(1727頃)三「御奏者は家来殿中へ呼て、押合などと言やふなることをさする類不宜事也」
④ 取引相場で値段変動がないこと。〔取引所用語字彙(1917)〕

おし‐あわ・せる ‥あはせる【押合】

〘他サ下一〙 おしあは・す 〘他サ下二〙 (「おし」は接頭語)
① 一緒にする。一箇所に寄せ合わせる。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「宮の御車一にたてて、かんのとの二にて、をしあはせて二十ばかりなり」
② 同じようにする。調子などを合わせる。
※玉塵抄(1563)一「列国とは列はつらなるとよむぞ。〈略〉つづきならうだ国ぞ。なにごともをしあわするほどに、一やうにおもむきが同ぞ」
③ 結婚させる。
※九冊本宝物集(1179頃)五「遜王の御いもうとにおしあはせられて、羅什三蔵をまうけ給ふる也」

おし‐あ・う ‥あふ【押合】

〘他ワ五(ハ四)〙
両方から互いに押す。皆、争うようにしてからだを動かす。
今昔(1120頃か)二三「既に三地畢て押合て乗組て打追ふ」
② 押し問答をする。言い合いをして争う。言い合う。
※滑稽本・八笑人(1820‐49)三「それからは人の集るまで、出たらめにおしやって居るのだから」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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