精選版 日本国語大辞典 「押・圧」の意味・読み・例文・類語
おし【押・圧】
[一] 一点からいろいろの方向に力を加えること。また、そのためのもの。
① 手もとから外に向かって力を加えること。⇔引き。
(イ) 押すこと。おしつけること。「押しも引きもならぬ混雑ぶり」
(ロ) 相撲の手で、手を相手の体にあてがい、押すこと。「押し切り」「押し出し」「押し倒し」などの極め手がある。
(ニ) 「おしかく(押角)」の略。
(ホ) ビリヤードで押し球(だま)をとる突き方。押し球。
② 上から下方に向かって力を加えること。また、そのためのもの。
(イ) 圧(お)すこと。おさえつけること。また、そのために使う重いもの。おもし。
※玉塵抄(1563)一「くさりて虫になるぞ、それををしをかけてしぼるほどに」
※十巻本和名抄(934頃)五「鼠弩 楊氏漢語抄云鼠弩〈於之〉一云鼠弓也」
※歌舞伎・月梅薫朧夜(花井お梅)(1888)二幕「どうせ呼び物の幕だから、二銭のおしも三銭と、高く取るのは一と幕見は、向ふの附目で仕方がねえ」
[二] 事にあたって威力を示したり制御したりすること。
① 自分の意見や希望をむりに通そうとすること。また、そのような性質。→お(押)しが強い。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「城井に於ても押(オシ)は軽くない方であるから〈略〉依然其方針を取ってゐる」
② 人をおさえ制すること。また、その力。→お(押)しが利く。
※雑俳・折句杖(1796)「押強ふ其場くろめるばらけ髪」
④ 取引相場で値が一時さがること。
[2] 〘接頭〙 動詞の上に添える。
① 単に語勢を強める。「おしとどめる」「おしならす」など。
② 無理に…する。しいて…する。「おしとる」「おしつける」など。
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