デジタル大辞泉
「懸想」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
け‐しょう ‥シャウ【懸想】
※承応版狭衣物語(1069‐77頃か)三「さやうのけしゃうなど、おしなべては習ひ給はぬ
心地に、人も怪しと思はむとつつましくて」
け‐そう ‥サウ【懸想】
〘名〙 (「けんそう(懸想)」の撥音「ん」の無表記) 思いをかけること。恋すること。恋いしたうこと。
恋慕。けしょう。
※
源氏(1001‐14頃)
夕顔「私のけさうもいとよくしをきて
案内も残る所なくみ給へをきながら」
けしょう‐・ず ケシャウ‥【懸想】
※浜松中納言(11C中)三「
大弐のむすめののぼりたるを、けしゃうずるといひなされん世のきこえもびんなく」
けそう‐・ぶ ケサウ‥【懸想】
〘自バ上二〙 思いをかけているような
様子をする。色好みらしくふるまう。
※源氏(1001‐14頃)柏木「わざとけさうびてはあらねど、懇に気色ばみて聞え給ふ」
けそう‐・ず ケサウ‥【懸想】
〘他サ変〙 恋いしたう。思いをかける。恋慕する。けしょうず。
※
伊勢物語(10C前)三「けさうじける女の
もとに、ひじきもといふ物をやるとて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報