日本国憲法の改正に関する審議を行う国会の常設機関。憲法改正の手続を定めた国民投票法が2007年(平成19)5月に成立したのを受け、改正国会法に基づき、同年8月に衆参両院に設けられた。憲法改正原案の審議と、憲法や関連法制の調査の二つの機能をもつ。審査会の委員は衆議院が50人、参議院が45人。国会内会派の所属議員数に応じてそれぞれ委員を割り当てる。憲法改正手続は、衆院では国会議員100人以上、参院で同50人以上の賛同で憲法改正原案が提案され、衆参両院の憲法審査会で改正原案をそれぞれ審議する。憲法審査会が過半数で可決し、国会本会議で総議員の3分の2以上が賛成すれば、改正案を国民に発議する。発議後60日以後180日以内に国民投票が行われ、有効投票数の過半数が改正案に賛成すれば改憲が実現する。かつては憲法一般について総合的な調査をする憲法調査会(2000年1月~2007年8月設置)と、国民投票法を議論する「日本国憲法に関する調査特別委員会」(2005年9月~2007年8月設置)があった。憲法審査会はこの2機関を引き継いだもので、憲法改正を具体的に議論する場である。
国民投票法は公布後3年間、憲法改正原案の国会への提出・審議を凍結すると定めている。また国民投票の採決にあたって、当時の自由民主党・公明党による連立政権が強行採決したため、民主党などの野党が反発し委員が選任されず、憲法審査会は休眠状態が続いていた。しかし2010年の参院選で民主政権が過半数割れとなり、国会審議で野党(自公)の協力をとりつける必要が出たため、2011年10月に委員を選任し、憲法審査会は活動を始めた。2012年5月から憲法の具体的条文の審議を始め、2014年11月には盛岡市で初めて地方公聴会を開いた。
[矢野 武 2017年5月19日]
(根本清樹 朝日新聞記者 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新