慌・周章(読み)あわてる

精選版 日本国語大辞典 「慌・周章」の意味・読み・例文・類語

あわ・てる【慌・周章】

〘自タ下一〙 あわ・つ 〘自タ下二〙 不意をつかれて落ち着きを失う。びっくりしてまごつく。うろたえる。狼狽(ろうばい)する。現代では「あわてて…する」の形で、非常に急ぐ意に用いる場合も多い。
書紀(720)用明二年四月(図書寮本訓)「是の時に押坂(おしさか)部史毛屎(けくそ)(アワテ)来て」
※石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「文策即ち甚だ忙(アワテ)(おび)え、乃ち使者を逐ひて去る」
※竹取(9C末‐10C初)「かくや姫〈略〉いみじくしづかにおほやけに御文奉り給ふ。あはてぬさま也」
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「なんだか今日は日がみぢかい、ト急ぎあわてて帰りゆく」
[補注]「泡」を活用させた語と考えられるが、成立過程は不明。

あわ・つ【慌・周章】

〘自タ下二〙 ⇒あわてる(慌)

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