急性上気道炎(かぜ症候群)(読み)きゅうせいじょうきどうえん(かぜしょうこうぐん)(英語表記)Acute upper respirafory fract inflammation (Cold)

六訂版 家庭医学大全科の解説

急性上気道炎(かぜ症候群)
きゅうせいじょうきどうえん(かぜしょうこうぐん)
Acute upper respirafory fract inflammation (Cold)
(お年寄りの病気)

どんな病気か

 上気道に急性炎症を起こしたものの総称で、かぜ症候群とも呼ばれます。このなかには、普通感冒(ふつうかんぼう)急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)急性扁桃炎(へんとうえん)急性喉頭炎(こうとうえん)急性副鼻腔炎(ふくびくうえん)などが含まれます。

 かぜ症候群は副鼻腔から喉頭までの非特異的カタル性炎症(コラム)で、ほとんどの人が年数回かかっています。

原因は何か

 原因微生物の80~90%はウイルスで、ライノウイルス(約30~40%)、コロナウイルス(約10%)、その他、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどがあります。空気感染のほかに感染者の気道分泌物を介した接触感染で伝播します。

症状の現れ方

 主な症状は発熱、鼻汁、咽頭痛、(せき)などで、通常2週間以内に治癒します。

検査と診断

 アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスでは鼻汁、咽頭の(ぬぐ)い液や、うがい液中の抗原検査による迅速診断が可能です。鑑別(見分ける)すべきものに急性気管支炎があります。これもウイルス感染によるものが多く、長期化する咳が特徴です。

治療の方法

 通常、抗菌薬は不要で、安静と水分補給、1日2~4回の水でのうがいで十分です。しかし、日本では以前より二次感染の予防という名目で抗菌薬が多用される傾向にあり、ウイルスの上気道粘膜への感染から細菌感染を続発するおそれのある場合は、短期間の投与を条件に抗菌薬(β(ベータ)-ラクタム系またはマクロライド系)がしばしば併用されます。急性副鼻腔炎も通常は抗菌薬は不要ですが、高熱、圧痛、膿性鼻汁などの症状が1週間以上続く場合には、ペニシリン系抗菌薬が使用されます。

 インフルエンザウイルスが原因の場合には、高齢者では重症化しやすく、しばしばブドウ球菌群の感染を合併した肺炎の発症により、急性呼吸不全に至る危険性もあります。症状出現後48時間以内に、A型またはB型ではオセルタミビルタミフル)、ザナミビルリレンザ)、A型ではアマンタジン(シンメトレル)のいずれかを使用すれば、重症化は予防可能といわれています。最も重要なのは、流行期に先立ってワクチン接種を受けておくことです。流行時には過労を避け、室内の加温・加湿、十分な水分摂取を心がけ、外出の際にはマスクの着用、手洗いの励行などが大切です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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