心付無(読み)こころづきなし

精選版 日本国語大辞典 「心付無」の意味・読み・例文・類語

こころづき‐な・し【心付無】

〘形ク〙 感情的、感覚的、情緒的に、自分気持と相いれないものに対する嫌悪感を表わす。気に食わない。心に好感が持てない。不満足で不愉快だ。
蜻蛉(974頃)上「ここには、例のほどにぞ通ふめれば、ともすれば、こころづきなうのみ思ふほどに」
徒然草(1331頃)一九〇「いかなる女なりとも明暮添ひ見んには、いと心づきなく憎かりなん」
こころづきな‐げ
〘形動〙
こころづきな‐さ
〘名〙

こころづき‐な【心付無】

(形容詞「こころづきなし」の語幹) 気に食わないさま。また、やりきれないさま。感動表現に用いる。
源氏(1001‐14頃)乙女「御乳母参りてもとめ奉るに、気色を見て、あな心づきなや、げに宮知らせ給はぬ事にはあらざりけりと思ふに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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