徳雲寺(読み)とくうんじ

日本歴史地名大系 「徳雲寺」の解説

徳雲寺
とくうんじ

[現在地名]東城町菅

万松山鬼臼峯と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。長禄元年(一四五七)領主宮政盛が周防国泰雲たいうん(現山口市)の覚隠を招いて開山したという。末寺・孫末寺は五三ヵ寺を数え、四世から八世までの住職朝廷から紫衣と禅師号を受けている。

開山伝説によれば、覚隠が旅の途中当地で藍婆という鬼を仏徳で改心往生させ、住民の不安を取除いたので、その徳を慕い永住を願う住民の訴えが領主を動かし、宮政盛が一二年間をかけ七堂伽藍を完成させたという。

徳雲寺
とくうんじ

[現在地名]久留米市寺町

寺町てらまち通の東側にある。臨済宗妙心寺派。円明山と号する。元和九年(一六二三)創建、本尊釈迦如来という(寛文十年寺社開基)、また薬師如来とも(久留米市誌)。開山は回厳玄登(甲斐国恵林寺快川の高弟)。元禄九年(一六九六)の白石火事で類焼(石原家記)。宝暦四年(一七五四)住職虎堂は人別銀徴収に反対の上書を提出、お咎を受けた。

徳雲寺
とくうんじ

[現在地名]園部小山東町

小山おやま集落東南の細く深い谷奥にある。塩田山と号し、曹洞宗、本尊は十一面観音。

寺伝は小山の旧族荘林氏が至徳二年(一三八五)に創建したというが、火災に遭い、徴すべき古記はない。のち小出氏が園部を領して以来藩祖以下の尊信が厚く菩提所となった。歴代藩主の画像が蔵され、画師には当代名手の名がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android