徳之島町(読み)とくのしまちよう

日本歴史地名大系 「徳之島町」の解説

徳之島町
とくのしまちよう

面積:一〇四・八六平方キロ

徳之島の東部に位置する。東は太平洋、北は東シナ海に臨み、西部は天城あまぎ町、南東部は伊仙いせん町と接する。町域は北より天城岳(五三三メートル)三方通さんぼうつう(四九五メートル)美名田みなだ(四三七・七メートル)井之川いのかわ(六四四・八メートル)のほか標高二〇〇―三〇〇メートル級の山嶺が連なり、これらを水源とするみなと川・万田まんだ川・井之川亀徳かめとく川・大瀬おおせ川・ほん川などがある。海岸部には隆起珊瑚礁が発達しており、干潮時には三〇〇メートルほど沖合に裾礁が現れる。これを中心とする一帯は奄美群島国定公園となっている。海岸沿いに主要地方道の伊仙―亀津かめつ―徳之島空港線、これより分岐する県道の伊仙―松原まつばら花徳けどく線・糸木名いときな―亀津線・松原―轟木とどろき線が通る。亀徳港は沖縄や鹿児島方面と結ばれるとともに、阪神航路の寄港地となっている。

遺跡は三〇ヵ所近く発見され、そのほとんどが海岸部を中心に立地している。調査が行われた遺跡は少なく、本川ほんごう貝塚・城畠うすくばて遺跡・ナーデンとう遺跡などにとどまる。本川貝塚は伊仙町との町境を流れる本川の河口の北、標高三〇メートルの台地にあり、北・東・南の三方は断崖をなし、東は海浜、南は川筋に接し、西の稜線は大谷おおたに山に連なる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徳之島町」の意味・わかりやすい解説

徳之島〔町〕
とくのしま

鹿児島県南部,奄美群島に属する徳之島の東部を占める町。1958年亀津町と東天城村が合体して発足。中心地区の亀津には江戸時代に代官所が置かれ,今日も島の政治,経済,交通,文化の中心。亀徳港は大型船が接岸でき,島の海の玄関として鹿児島や沖永良部島と結ばれる。周辺はサトウキビ栽培が盛んで,製糖工場がある。ほかに米,パイナップル,バナナなどを産し,パイナップル缶詰工場もある。ソテツ並木の金見崎や熱帯果樹を中心としたフルーツガーデンなどの観光地がある。また,闘牛の盛んな町として知られる。国の特別天然記念物のアマミノクロウサギや,毒ヘビハブが生息し,奄美群島国立公園に属する。面積 104.92km2。人口 1万147(2020)。

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