御…なさる(読み)おなさる

精選版 日本国語大辞典 「御…なさる」の意味・読み・例文・類語

お【御】 …なさる

① (「なさる」は「する」の尊敬語。間に動詞連用形を入れて用いる) 他人動作に用いて尊敬の意を表わす。敬意はかなり高く、「お…ある」よりも改まった表現である。中世末期以後一般化した用法。→なさるなされる
※虎明本狂言・松脂(室町末‐近世初)「おのおのさまに御出なされて、松はやしをなされてくだされい」
歌舞伎幼稚子敵討(1753)口明「大殿が、畏ったとお受けなされたる二色の重宝
② (「お…なさい」の形で)
(イ) 丁寧な命令を表わす。「遅いからもうお休みなさい」
(ロ) ((イ)から転じて) あいさつことばとして用いられる。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「お帰(かいん)なさいまし」

ご【御】…なさる

(間に多く漢語の名詞を入れて用いる) 他人のする動作を尊敬して表現する。
※天草本平家(1592)二「キヨモリ サラニ gomochij(ゴモチイ) nasarenanda(ナサレナンダ)
※虎明本狂言・三本の柱(室町末‐近世初)「ことにたのふだ人は、ゑびすぎな人じゃ程に、御満足なされうが」

おん【御】…なさる

※天草本平家(1592)一「ツイデガ ナケレバ von(ヲン) imaxime(イマシメ) nasaruru(ナサルル) コトモ ゴザナカッタ」

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