彦山村(読み)ひこさんむら

日本歴史地名大系 「彦山村」の解説

彦山村
ひこさんむら

[現在地名]添田町英彦山ひこさん

田川郡の最南端に位置する高山地帯で、英彦山たか山・上仏来かんぶく山などがそびえる。南西雲母きらら坂で落合おちあい村、東は薬師やくし峠で下毛しもげ槻木つきのき(現大分県山国町)、南は岳滅鬼がくめき峠で豊後に至る。平坦地は少なく、車や馬が通れない林道や峠が多い。いま川・彦山川の水源地でもある。彦山修験で知られた現在の英彦山神宮が鎮座する。元和八年人畜改帳にみえない。正保国絵図・元禄国絵図に「彦山町」と「彦山ノ内 坂本」がみえ、彦山権現豊前坊・彦山坊中が描かれる。江戸時代の当地は小倉藩領ではあるが、彦山の神領とされ、郷帳類に村名はみえない。当地は彦山座主による一山管掌で、藩主からの知行米や九州をはじめとする西日本各地の檀家からの喜捨をおもな収入としていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報