形見の衣(読み)カタミノコロモ

デジタル大辞泉 「形見の衣」の意味・読み・例文・類語

かたみ‐の‐ころも【形見の衣】

死んだ人や別れた人の思い出となる服。形見の袖。
吾妹子わぎもこが―なかりせば何物もてか命継がまし」〈・三七三三〉
喪服
「今はとて―脱ぎ捨てて色変はるべきここちこそせね」〈玉葉集

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精選版 日本国語大辞典 「形見の衣」の意味・読み・例文・類語

かたみ【形見】 の 衣(ころも)

① 死んだ人、または遠く離れた人の思い出の種として残された衣服。かたみの袖。
万葉(8C後)一五・三七三三「吾妹子(わぎもこ)が可多美能許呂母(カタミノコロモ)なかりせば何物もてか命継がまし」
② 喪服。
※栄花(1028‐92頃)岩蔭「皆御服あるべし〈略〉あはれなる御かたみのころもは所分かずなん」

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