弧状山脈(読み)こじょうさんみゃく(英語表記)arcuate mountain

日本大百科全書(ニッポニカ) 「弧状山脈」の意味・わかりやすい解説

弧状山脈
こじょうさんみゃく
arcuate mountain

弧状に配列している山脈または山系アルプス山脈カルパティア山脈ヒマラヤ山脈などのように大陸上にあるもの、アンデス山脈のように大陸の周縁にあるもの、アリューシャン列島千島列島、日本列島大スンダ列島などのように海洋にある弧状列島(島弧)などがある。島弧は、その連続的配列からみて、弧状山脈の代表的なものである。島弧のうち、一つの列島からなるものを単一弧(例、日本列島)、二つの列島が並んでいるものを複成弧(例、琉球(りゅうきゅう)列島)という。一般に、弧状山脈の凸側を外側、凹側を内側という。島弧では一般に外側に海溝がある。弧状山脈の成因については、プレートが沈降するとき、折れ曲がった地帯が円弧状をなすもの、内側から外側へのマントル対流を考えるもの、縁海の拡大を考えるもの、マントルに達する深部構造帯の活動が地表に現れたものなどがある。

[有井琢磨]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の弧状山脈の言及

【山脈】より

…土地の質や環境を問題とする立場からは〈山地〉が用いやすく,山の成り立ちや地質構造との関連でとらえる場合には〈山脈〉〈山系〉が役に立つ。 山脈はその平面的な特色を地図上でとらえ得るが,概して円弧状を呈するものが多く〈弧状山脈〉として扱われる。現在地球上にある大山脈は第三紀中葉以降現在にいたるまで続いている造山運動(〈アルプス造山〉という)の影響をうけた地帯に限られ,環太平洋造山帯およびアルプス・ヒマラヤ造山帯の二つがそのおもな地帯である。…

※「弧状山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」