引替・引換(読み)ひきかえる

精選版 日本国語大辞典 「引替・引換」の意味・読み・例文・類語

ひき‐か・える ‥かへる【引替・引換】

〘他ア下一(ハ下一)〙 ひきか・ふ 〘他ハ下二〙 (「ひき」は接頭語。室町時代頃からはヤ行にも活用した)
① 他の物と取りかえる。交換する。また、着物を着替える。
源氏(1001‐14頃)東屋「牛などひきかふべき心設けし給へり」
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「なよらかなる宿直(とのゐ)物にひきかへ」
② 状態・様子名称などを変える。全く異なったさまにする。現代では自動詞的に、がらりと変わるの意にも用いる。
蜻蛉(974頃)上「わたくしの心は、なほおなじごとあれど、ひきかへたるやうに、さわがしくなどあり」

ひき‐かわ・る ‥かはる【引替・引換】

〘自ラ五(四)〙 (「ひき」は接頭語)
① 他の物や人と交替する。または、ある物や人の代わりとなる。
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)一二「ひきかはり、みつからか、みかはりになりとも、たち申さうに」
② 全く違ったものにかわる。反対になる。対照的になる。
※別れ霜(1892)〈樋口一葉〉二「新田は〈略〉凱歌の声いさましく引上げしには引(ヒキ)かはりて松沢が周章狼狽

ひき‐かえ ‥かへ【引替・引換】

〘名〙 ひきかえること。交換すること。とりかえること。ひっかえ。
狭衣物語(1069‐77頃か)一「女車、牛のひきかへなどして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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