引受・引請(読み)ひきうける

精選版 日本国語大辞典 「引受・引請」の意味・読み・例文・類語

ひき‐う・ける【引受・引請】

〘他カ下一〙 ひきう・く 〘他カ下二〙
① 納得のうえで、自分が責任をもって仕事を受け持つ。うけおって自分のつとめとする。担当する。負担する。
義経記(室町中か)八「都に上り、江馬小四郎をひきうけ、その所をも切り抜けしに」
② あとを受け継ぐ。他にかわってそれをする。
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「後見の鬼兵衛多くの借金を引請(ヒキウケ)
③ 相手のさす盃を受ける。客などの相手になって、処置をする。むかえ入れる。また、応対する。あしらう。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「イッパイヅツ fiqivqe(ヒキウケ) fiqivqe(ヒキウケ) ノムニ」
第三者身元、人物を保証する。保証にたつ。保証人となる。「身元を引き受ける」
⑤ 自分の境遇などに当てはめる。引き当てる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑥ 株式や手形の引き受けをする。
※会社弁(1871)〈福地桜痴〉諸会社取建の手続大要「右の株を引受る義を書込みたるものは」

ひき‐うけ【引受・引請】

〘名〙
① 自分が責任をもって仕事を受け持つこと。担当すること。ある義務を負担することを約束すること。〔文明本節用集(室町中)〕
② 応対すること。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉七「他国の使節引請(ヒキウケ)等仕るべきの段御内旨もこれありし故」
為替手形の支払人が、手形に署名して手形金額支払の主たる債務者になること。
※銀行小言(1885)〈富田鉄之助〉下「仕払人の引受を記入したる後は引受人とも呼ばるるなり」
有価証券の発行に際し、証券会社などがそれを売り出す目的で、発行者からその証券の全部もしくは一部を取得すること。あるいは、他に取得先がない場合、証券会社が残部を取得すること。
※めし(1951)〈林芙美子立志伝「売出し、引き受けいうようなことは、同業者としては、慎重で、えらく、力がいる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報