廿家町(読み)にじゆうやまち

日本歴史地名大系 「廿家町」の解説

廿家町
にじゆうやまち

[現在地名]博多区下呉服町しもごふくまち

唐津街道の一筋北の東西道に沿う両側町。この東西道は西は奥小路おくしようじ町に、東は金屋町横かなやまちよこ町に続く。西は市小路いちしようじ町の通り、東は浜口はまぐち町の通りの南北道によって画される。当町の中ほどで北に延びる南北道に沿うかがみ町がある(福岡博多近隣古図)。慶応二年(一八六六)の博多店運上帳は「にじゅうやまち」、「地理全誌」は「にじゅうえまち」と訓じる。元禄三年(一六九〇)には廿家町東・廿家町西があり、家数は東九・西一一、東は東町流、西は呉服町流の内であった(続風土記)。その後は廿家町一町となり、呉服町流の内。明和三年(一七六六)の家数二一・間数五二間余(石城志)。慶応二年の家数二二(博多店運上帳)。当町東の番屋は浜口町中の吉左衛門の屋敷地脇を借地していたが、貞享元年(一六八四)吉左衛門に断られ、改めて同人の屋敷横の地を年宿金二匁で借地した。当町の半三郎(山崎)は寛文六年(一六六六)福岡藩二代藩主黒田忠之の十三回忌に銀一〇〇疋の香奠を進上、同一一年頃には御用銀を差出し、延宝元年(一六七三)には博多年行司の一人であった(津要録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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