床離(読み)とこはなる

精選版 日本国語大辞典 「床離」の意味・読み・例文・類語

とこ‐はな・る【床離】

〘自ラ下二〙
① 床から離れる。寝床から起き出す。
浮世草子・好色二代男(1684)五「まして宿よりせわしく心もつけず、床(トコ)ばなれての朝、夜前の首尾互に聞事もなし」
② (夫婦寝所を別にする意から) 男女の関係が絶える。離婚する。
伊勢物語(10C前)一六「年ごろあひ馴(な)れたる妻(め)、やうやうとこはなれて、つひに尼になりて」
③ 住みなれた家を出て他所に行く。
浄瑠璃・清水観音利生物語(1681頃か)三「すみなれそめしふるさとを、とこはなれ行かなしみも」

とこ‐ばなれ【床離】

〘名〙
① 寝床から起き出ること。起床
※俳諧・西鶴大句数(1677)一「床はなれ嶺にわかるる女来肌 揚屋につかふかね殊勝なり」
② 男女、夫婦の愛情の離れること。別れること。別居離別。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
病気が治って床から離れること。
※俳諧・枯尾花(1694)上「水仙や使につれて床離れ呑舟〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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