広木上宿遺跡(読み)ひろきかみじゆくいせき

日本歴史地名大系 「広木上宿遺跡」の解説

広木上宿遺跡
ひろきかみじゆくいせき

[現在地名]美里町広木

小山こやま(身馴川)扇状地を北に望む標高約一一四メートルのなだらかな丘陵上に所在する遺跡。平成四年(一九九二)度からの調査によって、縄文時代中期や古墳時代から平安時代にかけての竪穴住居跡が数多く発掘されているが、中世寺院跡が注目される。寺院の遺構は現在の畑の地割に対応しており、建物の平場造成面や礎石を用いた建物跡、掘立柱建物跡・配石・土壙・溝跡などが確認されている。建物の平場造成面が集中する区域の北側の土壙内からは、全長三・六センチほどの金銅製小型宝塔(舎利塔)一基が出土し、製作年代は南北朝時代と考えられている。またこの塔の脇から出土した長辺約四〇センチ・短辺一八センチ、高さ不明の漆塗の箱をレントゲン撮影したところ、前記の小型宝塔と同じ塔三基、宝珠状の棒など四点、および雲のような不透視物体一点が確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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