年差(読み)ネンサ(英語表記)annual equation

デジタル大辞泉 「年差」の意味・読み・例文・類語

ねん‐さ【年差】

月の黄経に現れる周期的な摂道の一。振幅0.19度、周期は1近点年(365.2596日)。地球軌道が楕円形であるため、月と太陽との距離変化し、太陽の月に及ぼす引力にも変化が起こることによる。

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精選版 日本国語大辞典 「年差」の意味・読み・例文・類語

ねん‐さ【年差】

〘名〙
① 太陽・月・地球間の距離変化によって、太陽から受ける引力が増減するために生じる月の摂動。周期は一近点年。
② 一太陽年の間の恒星位置の変化量。歳差による変化と固有運動の和として示される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「年差」の意味・わかりやすい解説

年差
ねんさ
annual equation

太陰運動論で扱われる月の運動不等性一つで,T.ブラーエによって発見された。太陽による摂動の1項をなし1近点年を周期とする。また,恒星目録に付記されている恒星の位置変化 (歳差と固有運動の和,1年についての値) をもさす。

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世界大百科事典(旧版)内の年差の言及

【月運動論】より

…こうして,複雑な運動を高い精度で解明する月運動論の内容はきわめて膨大なもので,代表的なE.W.ブラウンの月運動論では,月の黄経,黄緯,視差を表す三角級数は全体で1600余の周期項からなっている。その半数以上が黄経に使われているが,その中でもっとも主要な5個の周期項は中心差,出差,二均差,年差,月角差と呼ばれている。中心差は古代より知られ,出差は前150年ころにヒッパルコスが発見したと伝えられる。…

※「年差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」