朝日日本歴史人物事典 「市川門之助(2代)」の解説
市川門之助(2代)
生年:寛保3(1743)
江戸中期の歌舞伎役者。俳名新車,屋号滝野屋。都八重太夫の子。江戸生まれ。上方で修業を積んだのち江戸へ戻る。宝暦12(1762)年2代目市川団十郎の門人で若衆形の随一とされた初代門之助の家に養子に入って市川弁蔵と名乗り,明和7(1770)年に2代目を襲名した。元服して若衆形から立役に転じるのは安永6(1777)年。所作事をよくし,安永期には2代目市川八百蔵,3代目沢村宗十郎,初代尾上松助と共に,若手四天王と称された人気役者だった。門之助の名は現代の8代目まで続いている。3代目以降はもっぱら若女形で,4代目は4代目常磐津文字太夫として知られる。<参考文献>「新刻役者綱目」(『日本庶民文化史料集成』6巻)
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報