川竹・河竹(読み)かわたけ

精選版 日本国語大辞典 「川竹・河竹」の意味・読み・例文・類語

かわ‐たけ かは‥【川竹・河竹】

〘名〙
① 川のそばにはえている竹。
散木奇歌集(1128頃)祝「うれしやなみよなが橋のかはたけもそよと答へて風わたる也」
② 竹の一種。
(イ) 「まだけ(真竹)」の古名。〔十巻本和名抄(934頃)〕
(ロ) 特に、御所清涼殿の東庭の御溝水(みかわみず)のそばに植えてある竹。
※延喜式(927)一七「御輿一具、〈略〉盖下桟料川竹十株、盖料菅一囲」
③ 「かわたけ(川竹)の流れの身」の略。〔運歩色葉(1548)〕
歌舞伎景政雷問答(1700)三「六条三筋町に不便(ふびん)や川竹(カハタケ)の勤を致す」
近世上方で、官許以外の遊里。寛政一七八九‐一八〇一)頃から天保(一八三〇‐四四)にかけての流行語。江戸でいう岡場所。島。
※洒落本・睟のすじ書(1794)叙「恋にかしこき人を粋といふ。また通ともいふなれ。〈略〉其集る処を花廓(くるわ)といひ、川竹といふ」
⑤ 植物「うきくさ(浮草)」の異名(春雨抄)。
⑥ 植物「いたどり(虎杖)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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