精選版 日本国語大辞典 「浮草・浮萍・萍」の意味・読み・例文・類語
うき‐くさ【浮草・浮萍・萍】
〘名〙 (「うきぐさ」とも)
① 水面上に浮かんで生育する草の総称。根が水中に垂れて固定しないことから、人の世の定めないことにたとえ、「浮き」を「憂き」にかけて用いることが多い。また、生活、職業等が不安定なことのたとえにもいう。→根無草(ねなしぐさ)。《季・夏》
② ウキクサ科植物の総称。〔本草和名(918頃)〕
③ ウキクサ科の多年草。本州各地の水田、溝、池沼などに見られ、水面上に三~五個ほど集まって浮かぶ。体は表面が緑色、裏面が紫色で扁平な円形または倒卵形をして、長さ六ミリメートル内外。中央から一〇本ほどの細い根が垂れ下がる。夏、まれに白い小花が咲くが、ふつう根の付け根に幼体ができてふえる。たねなし。かがみぐさ。なきものぐさ。漢名、紫萍。《季・夏》 〔日本植物名彙(1884)〕
④ 植物「でんじそう(田字草)」の異名。〔延宝八年合類節用集(1680)〕
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