浮草・浮萍・萍(読み)うきくさ

精選版 日本国語大辞典 「浮草・浮萍・萍」の意味・読み・例文・類語

うき‐くさ【浮草・浮萍・萍】

〘名〙 (「うきぐさ」とも)
① 水面上に浮かんで生育する草の総称。根が水中に垂れて固定しないことから、人の世の定めないことにたとえ、「浮き」を「憂き」にかけて用いることが多い。また、生活、職業等が不安定なことのたとえにもいう。→根無草(ねなしぐさ)。《季・夏》
古今(905‐914)雑下・九三八「わびぬれば身をうき草のねをたえてさそふ水あらばいなんとぞ思ふ〈小野小町〉」
ウキクサ科植物の総称。〔本草和名(918頃)〕
③ ウキクサ科の多年草。本州各地の水田、溝、池沼などに見られ、水面上に三~五個ほど集まって浮かぶ。体は表面が緑色裏面紫色で扁平な円形または倒卵形をして、長さ六ミリメートル内外。中央から一〇本ほどの細い根が垂れ下がる。夏、まれに白い小花が咲くが、ふつう根の付け根に幼体ができてふえる。たねなし。かがみぐさ。なきものぐさ。漢名、紫萍。《季・夏》 〔日本植物名彙(1884)〕
④ 植物「でんじそう(田字草)」の異名。〔延宝八年合類節用集(1680)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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