デジタル大辞泉
「岩躑躅」の意味・読み・例文・類語
いわ‐つつじ〔いは‐〕【岩躑=躅】
1 ツツジ科の落葉低木。高さ約15センチ。葉は茎の先に集まって互生し、広卵形。夏、淡紅色の釣鐘形の小花が咲き、果実は丸く、10月ごろ赤く熟し、食べられる。本州中部から北に分布。
2 岩や石のほとりに咲いているツツジ。特に和歌で、「言はねば」を導く序詞として用いる。
「思ひ出づる常磐の山の―言はねばこそあれ恋しきものを」〈古今・恋一〉
3 襲の色目の名。表は紅、裏は紫。冬と春に用いる。
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いわ‐つつじ いは‥【岩躑躅】
〘名〙
① ツツジ科の落葉小低木。北海道、本州中・北部の高山に生える。高さ五~一五センチメートル。
地下茎を長くのばし所々に茎を立てながら繁殖する。葉は先がとがった広卵形または長円形で、縁には細かい鋸歯
(きょし)があり、有柄で互生するが茎の頂に三、四枚集まって輪生状に見える。夏、淡紅色の筒状で縁が浅く五つに裂けた小さい花を茎の頂に二~三個つける。実は直径一センチメートルぐらいの
球形で紅色に熟し、甘ずっぱく、
食用になる。〔日本
植物名彙(1884)〕
③ 石や岩のほとりに生えるツツジ。古今集以後の和歌では「いはねば」「いはねど」「いはでや」「いはばや」など、「言ふ」を導く序詞として恋の気分を歌うときにも用いられるようになった。
※
万葉(8C後)二・一八五「水
(みな)伝ふ磯の
浦廻(うらみ)の石上乍自
(いはつつジ)もく咲く道をまたも見むかも」
④ 襲(かさね)の色目の名。表は紅、裏は紫。冬と春に用いる。
※胡曹抄(1480頃)「几帳事〈略〉岩躑躅 表紅裏紫」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
岩躑躅 (イワツツジ)
学名:Vaccinium praestans
植物。ツツジ科の落葉小低木,高山植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報