岩谷寺(読み)いわやじ

日本歴史地名大系 「岩谷寺」の解説

岩谷寺
いわやじ

[現在地名]笠間市来栖

はく山の東麓にある。医王山護命院と号し、真言宗智山派。本尊は十一面観音。岩谷寺源由書(当寺蔵)によれば、大同四年(八〇九)空海の弟子秀悦が佐白さしろ山中に護命山医王院岩谷寺として建立したが、鎌倉初期に笠間時朝によって取壊され、のち現在地に山号を改めて再興という。慶安二年(一六四九)三〇石の朱印地を給され、元禄八年(一六九五)には藩主本庄宗資が三〇両を寄進して薬師堂を改修、翌年には大般若経を奉納する(笠間城記)

来栖村差出帳(加藤家文書)によれば、境内は東西五町半・南北六町余、薬師堂・護摩堂阿弥陀堂・白山権現社など大小一四の堂・祠があり、末寺上市毛かみいちげ村の威徳いとく院など二五寺を数えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報