山下陸奥(読み)やましたむつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山下陸奥」の意味・わかりやすい解説

山下陸奥
やましたむつ
(1895―1967)

歌人。広島県尾道(おのみち)に生まれる。東京高等商業(一橋大学前身中退。会社員時代、上司川田順の勧めで竹柏(ちくはく)会『心の花』に入会新井洸(あきら)に師事。その後、1930年(昭和5)に『一路』を創刊主宰。自然詠と人間心理の微妙な揺れを技巧的に歌った作に特色がある。歌集に『春』(1931)、『生滅』(1962)など、歌論集に『作歌随想』などがある。

 杉の木は年古りしかば根元よりいきいきとして泉の湧(わ)けり
佐佐木幸綱

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山下陸奥」の解説

山下陸奥 やました-むつ

1895-1967 大正-昭和時代の歌人。
明治28年12月24日生まれ。住友合資に入社し,上司の川田順のすすめで竹柏会にはいり,新井洸(あきら),木下利玄にまなぶ。のち上京して「心の花」の編集担当。昭和5年「一路」を創刊,主宰した。昭和42年8月29日死去。71歳。広島県出身。東京高商(現一橋大)中退。歌集に「春」「生滅」など。
格言など】風呂に汲みしあとの冷たき井戸水コップに一つ妻のもて来ぬ(「霊鳥」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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