就眠運動(読み)シュウミンウンドウ

デジタル大辞泉 「就眠運動」の意味・読み・例文・類語

しゅうみん‐うんどう〔シウミン‐〕【就眠運動】

葉や花が昼夜明暗に合わせて行う周期的な運動。光の強さが刺激となって起こる膨圧運動生長運動チューリップの花の開閉インゲンマメの葉の下垂など。睡眠運動昼夜運動

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精選版 日本国語大辞典 「就眠運動」の意味・読み・例文・類語

しゅうみん‐うんどう シウミン‥【就眠運動】

〘名〙 植物の葉や花が昼夜の光や温度変化に伴って行なう周期的な運動。チューリップの花の開閉や、インゲンマメの葉の下垂運動などがその例。睡眠運動。昼夜運動。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「就眠運動」の意味・わかりやすい解説

就眠運動
しゅうみんうんどう

植物の葉や花などが、昼夜の周期的明暗によって開閉などの運動反応を示すことで、睡眠運動、昼夜運動ともいう。運動の原因が細胞の膨圧の変化による場合(膨圧運動)と、成長率の変化による場合(成長運動)とがある。前者にはカタバミやマメ科植物(クローバー、インゲンマメ、オジギソウなど)の葉枕(ようちん)のある葉が示す運動があり、後者にはキク科植物などにみられる花の開閉がある。花の開閉は光傾性一種でもある。就眠運動は、単に昼夜の周期的変化に反応する外発的な運動としてではなく、植物体内の内在リズムに基づく「概日リズム(がいじつりずむ)」の運動と考えられる。したがって、光の周期的刺激は、このリズムの発現を調節しているものと思われる。

[勝見允行]

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