小山寺(読み)しようさんじ

日本歴史地名大系 「小山寺」の解説

小山寺
しようさんじ

[現在地名]美濃加茂市下米田町小山

飛騨川左岸に沿い、東に琴平神社がある。仁慈山と号し、臨済宗妙心寺派、本尊釈迦如来。明暦三年(一六五七)西脇にしわき光徳こうとく寺五世江国による開基で、光徳寺末であった。小山こやま観音が飛騨川中の巨岩上にある。金銅製馬頭観音を本尊とし、七年目ごとに開帳する。名勝であり、「新続犬筑波集」に「きり雨におやまはかくれみの路かな」の句がある。木曾義仲が生母若名御前の菩提のために創建したとか、土岐一族の女性がここに祈願して授かった子が瑞林ずいりん寺開山の仁済であるとか、森武蔵守が牛鼻うしがはな砦を攻略するとき、砦からの銃撃を恐れずここに参詣して武勇をたたえられたとか、多くの伝説がある。

小山寺
おやまじ

[現在地名]岩瀬町富谷

富谷とみや山の中腹にあり、一般に富谷観音とよばれる。施無畏山宝樹院と号し、天台宗。本尊は十一面観音。天平七年(七三五)行基の開基で慈覚大師円仁が七堂伽藍を建立と伝える。南北朝期に宝物などを奪われ、堂宇も荒廃したが、結城・多賀谷両氏らが改修に努め、江戸時代には朱印地二〇石をえて繁栄した。

寺内には文化財が多数あり、寛正六年(一四六五)建立の三重塔(国指定重要文化財)は、和様と唐様の折衷様式で、方三間、各層中央に唐戸を建て、周囲に回り縁をめぐらす。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「小山寺」の解説

小山寺

茨城県桜川市にある寺院。735年創建とされる。1465年に建てられた三重塔は国の重要文化財に指定されている。「富谷観音」とも。

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世界大百科事典(旧版)内の小山寺の言及

【岩瀬[町]】より

…磯部付近の桜川は桜の名所で,謡曲《桜川》の舞台として知られ,名勝に指定されている。735年(天平7)行基の開山と伝える富谷観音(小山寺)の三重塔(重要文化財)は1465年(寛正6)の建造である。ほかにも月山寺,鴨大神御子神主玉神社,磯部稲村神社など古社寺が多い。…

※「小山寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」