寺床遺跡(読み)てらどこいせき

日本歴史地名大系 「寺床遺跡」の解説

寺床遺跡
てらどこいせき

[現在地名]東出雲町揖屋町 寺床

中海を見下ろす低丘陵端にあった。土採り予定地で発見され、昭和五五年度から東出雲町教育委員会によって調査が行われた。その過程で遺跡の保存運動が起こったが、結局破壊され消滅した。遺跡はA―Eの五地区に分けられ、丘陵上に位置するA・B・Cの三地区では、大小の方墳群と土壙墓群が発見された。とくに最高所に造られた一号墳(A地区)は二二・三×二七・五メートルの整美な方墳で、墳頂に四つ、墳裾に二つの墓壙があった。中心埋葬である第一主体は二段掘り土壙内に小礫を敷き割竹形木棺安置、棺側にも小礫を詰め上に砂を被覆した珍しい構造で、墳丘外へ抜ける排水施設を備えていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報