宜春院(読み)ぎしゆんいん

日本歴史地名大系 「宜春院」の解説

宜春院
ぎしゆんいん

[現在地名]交野市倉治

交野こうの山の西麓、源氏滝げんじのたきのほとりの高台にある。一般に滝の不動さんと親しまれ、夏の納涼で賑う交野名所の一。臨済宗妙心寺派、山号正法山、本尊不動明王。交野山は古くからの山岳霊場で、「諸山縁起」にも「甲の尾」とみえるので、源氏滝も修験者の行場であったと考えられる。江戸時代には、当寺の前身不動堂が滝の籠り堂で、不動明王を安置していた。「河内名所図会」に「開元寺滝、土人げんじの滝といふ」と題する挿画があり、宝形造の小堂を描き、「元寺滝 倉治村の東五町許にあり、一名、倉治滝といふ、高サ五丈、山林幽冥にして寂寞たり、傍に不動堂あり、むかしは、開元寺といふ浄刹の地なり、故に滝の名とす、浪花及ひ近隣の病者、あるひは風狂の者、眼病の者、こゝに籠りて滝に浴すれば、霊応あり」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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