宇津野山(読み)うつのやま

日本歴史地名大系 「宇津野山」の解説

宇津野山
うつのやま

[現在地名]高知市孕西町・孕東町・横浜

かがみ川の南方に、東西に宇津野山・鷲尾わしお山・烏帽子えぼし山が連なる。東端の宇津野山は標高二五五・九メートル。鷲尾山県立自然公園の一角をなす。

永禄三年(一五六〇)長宗我部元親は本山氏との長浜ながはま合戦ののち、本山方を追ってこの地を越えた。「元親記」は「元親卿は覚世死去の砌をも指し緩めず、長浜より宇都野坂を越え、潮江へ焼立て出づる」と記す。この「宇都野坂」は当山の東部尾根と考えられるが、この坂は近世にも高知城下と南の長浜・浦戸うらどを結ぶ唯一の往還であった。

東に浦戸湾を見下ろし、その遠方に五台ごだい山および高知平野、南は遠く土佐湾とその浦々、北は鏡川・くち川の形づくる沖積平野および遠く四国山地の山並を望むことのできる景勝の地であるが、山内にも多くの景勝地があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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