妙香山(読み)みょうこうさん(英語表記)Myohyang-san

改訂新版 世界大百科事典 「妙香山」の意味・わかりやすい解説

妙香山 (みょうこうさん)
Myohyang-san

朝鮮半島の北部,妙香山脈中の主峰で,標高1909m。妙香山脈は狼林山脈の西側支脈で,平安南道と平安北道慈江道の境をなす。妙香山はこの3道の接点に位置し,樹木がうっそうとした山容秀麗で,朝鮮の名山の一つとされている。朝鮮の建国神話の主人公檀君の生誕地といわれる檀君窟がある。山麓普賢寺は高麗時代創建とされる古寺で,大小40余の建築物からなる規模は朝鮮五大寺の一つに数えられる。ここからは16世紀末の日本軍侵略に抗して決起した義兵の指導者となった休静西山大師),泗溟大師らが輩出した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「妙香山」の意味・わかりやすい解説

妙香山
みょうこうさん / ミョヒャンサン

北朝鮮、北西地方の東部にある山。標高1909メートル。妙香山の最高峰は毘盧(びろ)峰で、主峰より北西方へ法王峰、南東方へ七星峰の二連峰からなっている。景観の特徴は渓谷美である。もっとも有名なのは祥原(しょうげん)洞と万瀑(ばんばく)洞で、白雲がなびくような水けむる数十の瀑布から形成されている。神話、伝説も多い山で、檀(だん)君降誕説にちなむ檀君窟(くつ)や、壬辰倭乱(じんしんわらん)(豊臣(とよとみ)秀吉の朝鮮侵略)で西山大師が檄(げき)を飛ばした普賢(ふけん)寺がある。妙香山入口には、国際親善博物館がある。

[魚 塘]

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