妙見上宮跡(読み)みようけんじようぐうあと

日本歴史地名大系 「妙見上宮跡」の解説

妙見上宮跡
みようけんじようぐうあと

[現在地名]八代市妙見町

八代市東部のよこ嶽頂上一帯にある。妙見神信仰と妙見菩薩信仰とが習合した山岳仏教寺院跡といわれる。「地志略」に「妙見菩薩堂 俗に上宮と云」とあり、妙見は大日如来を本地として後世種々に変化して現出するため、七体妙見と号したとする。「国誌」は延暦一四年(七九五)の草創と伝え、御室の神廟があったことから一帯を「御室嶽」とも称し、一説に三宝の神廟があったため「三宝嶽」とも称したとする。八代地方における妙見信仰の由来については百済の琳聖太子を妙見神の担い手とするなど諸説あるが、「地志略」は、中国から目深・手長・足早三人の形を現じて亀蛇に乗って八代郡土北とぎたの郷白木しらき八千把やちわ竹原たけはら津に着き、天武天皇九年から三年間鎮座し、その後益城ましき小熊野おぐまの(現下益城郡豊野村)に移り、宝亀二年(七七一)に横嶽に移ったと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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